先日ダイビングしたときの話です。
水深20mあたりで、前方の海底にユラユラと揺らめく生き物に遭遇しました。
アカエイです。
アカエイは珍しい魚ではありませんが、ボクは海中でエイが泳いでいるのがダイビングしている時に見られる好きな光景の一つです。
海底に体が半分隠れていることも多いのですが、移動するときは平ぺったい体で
スーーー
っと泳いでいきます。
水族館の水槽で見るエイとは違い、開放的な広い海の中だと悠久の時を漂っているようでいいなぁと感じられます。
エイが海中を泳ぐ姿は とにかく優雅
そんな姿を見ると癒されます。
今回はそんなアカエイについて調べてみました。
1.アカエイのプロフィール

分類 | トビエイ目アカエイ科に属するエイ |
---|---|
生息域 | 東アジア沿岸域 |
大きさ | 尾を含めた全長は最大で2m程度 |
食性 | 肉食(貝類、底生生物など |
外敵 | サメ類(特にシュモクザメ) |
繁殖 | 卵胎生 |
その他に、外見上の特徴として腹面は白いが、エラや尾などの縁で黄色~橙色であることが挙げられます。
そして、なんとしなやかな鞭状の尾に毒棘(どくきょく)を1,2本持っているという特徴があるのです!
しかも毒棘の有毒成分はあまり解明されていません。
不安定な高分子の毒だからというのが、解明があまり進まない理由らしいです。
ただ「タンパク質毒」であり、熱で急速に分解することがわかっています。
そして、何より…
アカエイの毒は、アナフィラキシーショックによる死亡例もあます。
油断してはいけません!!
ちなみに先ほどの写真にも毒棘が写っています。

橙色の丸で示したところにチラッと見えています。
2.アカエイに刺されたらどうする?
アカエイに刺されることって、こちらから刺激しなければ、まず無いです。
ただ、厄介なのは結構水深の浅いところまで来て砂地に隠れていることがあり、
また、弱ったり死んだりした個体が打ち上げれられることもあることです。
アカエイに刺されるシチュエーションとしては、潮干狩りやサーフィンをしている時に、
このような個体を踏んでしまったりして刺されるというのが多いようです。
刺された直後に非常に強い痛みを伴うそうです!
「気を付けましょう!」って注意がいろいろなサイトで書いてありましたが・・・なかなか難しいですよね。
アカエイに刺された時の現場での対処法は、公益財団法人 日本中毒情報センターの資料を要約すると、
- 棘を抜き、傷口を洗浄
- 火傷しない程度の熱い湯(45℃以下ぐらい)に患部を30~90分浸す
- お湯が冷めないように注意する
- 病院へ行く
という感じです。応急手当をしたら病院へ行きましょう。
3.アカエイの毒棘の脅威は毒だけではない
個体にもよりますが、アカエイの毒棘の長さは10cmぐらいあります。
想像よりも長くないですか?
物理的な殺傷能力もかなりあり、死亡事故もあります。
死亡事故として有名なのが以下の2つ。
2006年、オーストラリアの自然保護活動家で「クロコダイル・ハンター」として知られていたスティーブ・アーウィン氏が、グレート・バリア・リーフのバット・リーフでアカエイに胸を含む数カ所を刺されて亡くなりました。
(実はこの時、わたしは偶然オーストラリアのグレート・バリア・リーフの近くのケアンズという都市でダイビングの講習を受けていましたので、ニュースで大きく取り上げられていたことをよく覚えています。)
その10年後の2016年には、シンガポールの水族館でダイバー長のフィリップ・チェン氏が
他の飼育施設にアカエイを移す作業中に胸を刺されて亡くなりました。
本当にアカエイの毒棘は怖いです。
4.食べられる!
実は、アカエイは食べられます。
“アカエイ科の中では”食用種として最も利用されているそうです。
軟骨魚類の例にもれず、漁獲後に時間が経つとアンモニア臭が発生しますので、
臭いを消すため、湯通しして味噌をつけたり、煮付けにして食べるのが一般的です。
身は脂肪が少なく、繊維質が強いそうです。
エイの中では一番うまいと評判のようです。
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