理系書評:フェルマーの最終定理


1.フェルマーの最終定理

 
フェルマーの最終定理ってご存知ですか?
 
 
xn + yn = zn
この方程式は自然数nが2より大きい場合には整数解をもたない
 
 
というものです。
 
今回紹介する本の扱っているテーマは非常にヘビーです。
なにせ何百年も解けなかった問題です。
 
ただし!
数学のミレニアム懸賞問題に代表される難問とされるものの多くが問題の意味さえ分からないのに対し、このフェルマーの最終定理は問題の意味の理解は簡単です。
 
超シンプルな超難問という感じです。
 

2.ピタゴラスの定理

 
フェルマーの最終定理と形が似たものに、ピタゴラスの定理というものがあります。
 
超有名。
 
おそらく中学生で習った記憶があるでしょう。
x2 + y2 = z2
というやつです。
 
ピタゴラスの定理自体は、直角三角形の辺の長さの関係式なので、x, y, zは整数である必要はありません。
ただ、この数式を満たす整数 x, y, zの組み合わせはあります。
それも、一組や二組ではなく、たくさん。
 
整数 x, y, zの組み合わせの例としては、x=3、y=4、z=5 とか、x=5、y=12、z=13 とかが有名です。
もっと数字が大きい組み合わせだと x=99、y=4900、z=4901 というのもあります。
私が知っているこのような組み合わせは、ほんの数個ですが、実は組み合わせは無限にあるそうです。
それが、なぜかnが3以上になると一つもないのです。
 
 
不思議ですよね。
 

3.サイモン・シン、訳 青木薫

 
この超難問について、難しい数式を使うことなく、この定理に挑戦した数学者のヒューマンドラマや、この定理が証明されたことによる数学と数学者の世界での影響が、わかりやすい文章で書かれています。
 
数学の知識がなくても楽しく読み進められます。
 
そう、この本はサイエンスを題材にしたノンフィクション小説に近い。
そして、もちろんただの「小説」ではなく、ちゃんとサイエンスとしての側面を丁寧に扱っています。
だから、私のような素人でも楽しく読めました。
 
この本の面白さは著者・翻訳者の至高の文章力によるところが大きいと思います。
著者・翻訳者は、サイモン・シン青木薫
前に『暗号解読』という本を紹介した時と同じコンビだ。
 
こういう問題を専門家ではない私たちにわかるように・・・だけではなく、面白く読めるように書くこのコンビの力は本当に凄い。
 
 
この2人、最強だ!
 

4.日本人とフェルマーの最終定理

 
フェルマーの最終定理を証明したのは日本人、ではない。
アンドリュー・ワイルズというイギリス人だ。
 
ただし、ワイルズの証明の根幹には、谷山=志村予想という2人の日本人数学者の貢献があり、同じ日本人として嬉しいし、彼らのこともこの本では詳細に記載されている。
この部分も読んでいると面白いです。
 
 
 
ぜひとも読んで欲しい一冊です!

 
 
読み終わったら、ぜひ感想を聞かせてくださいね。
—いつも最後まで読んでいただきありがとうございます—