ヨウ素といえば千葉県産


 今月初め、千葉大学が西千葉キャンパスに「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター」(CIRIC)を2018年3月に完成させるという記事を目にしました。
「ヨウ素」の研究所ですね。
もともとは、2016年度の文部科学省「地域科学技術実証拠点整備事業」に採択された事業のようです。
 
ふーん、と思いながらも、なぜ千葉でヨウ素なのか。
 
気になったので調べてみたら、ヨウ素資源大国日本の姿が見えてきました。
 
 

1.ヨウ素資源大国

日本はヨウ素資源大国なのだそうです。
 
なんと
 
 
全世界の産出量の約3割が日本産で堂々の世界2位!
 
 
ちなみに1位はチリです。
 
世界2位の日本にあって千葉県の生産量は日本全体の75%も占めているそうです!
 
そんなに千葉にあるんだ、ヨウ素!
実に年間7500ton以上のヨウ素を千葉で生産。
 
 そもそもヨウ素は、地球上には海水や海草などに含まれる形で大量に存在していますが、経済的に採取できる地域は極めて限られているそうです。
 
千葉県はそんな数少ない地域の一つで、日本にとって海外へ資源として輸出できるおそらく唯一の元素です。
 
 千葉県内では地下500~2000mの九十九里地域の地層に含まれる「かん水」と呼ばれる水溶性天然ガス不随水からヨウ素を採取しているそうで、採取可能年数は約600年と見込まれているとのこと。
 
 

2.ヨウ素の用途

原子番号53、ハロゲン族のヨウ素には様々な性質があり利用方法も多義にわたります
 
うがい薬、X線の造影剤、耐熱安定剤、液晶関連、添加塩などなど。
1970年代までは”ヨードチンキ“という消毒薬として広く利用されていました。
 最近では光を効率よくエネルギーに変える性質に注目が集まっているそう。利用方法としては太陽電池の原料などですね。
 
人間にとっては体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要な必須元素です。
とりわけ大陸の中央部方面ではヨウ素を摂取する機会がほとんどないのでヨード欠乏症が多く発生したこともあるそう。
 
 また、東電原発事故以降、放射性同位体のヨウ素(131Iが取り上げられることが多くなりました。
 放射能汚染が起きた場合、放射性でないヨウ素(安定ヨウ素剤)の大量摂取により、あらかじめ甲状腺をヨウ素で飽和させる防護策が必要だという例のヤツです。
 

自然界に存在するほぼ100%のヨウ素は127Iです

 
このように様々なところでヨウ素が使われています。
 
 

3.資源輸出国でいいのか

 こんなに有用な資源であるヨウ素ですが、なんと日本はヨウ素の実に約4割が医薬品の原料として輸出され、製品が輸入されているというのが現状なのだそう。
 
 もともと原料を輸入し、製品を輸出する、加工貿易で発展したはずの日本において、全く逆の道を歩んでいるこの状況はなんたることか!!!
 日本で製品まで作ってから輸出したほうが良いじゃないか、資源を資源のまま輸出するなんて能がない。

 
たぶん、そんな思いで千葉大学は「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター」を設立することにしたのでしょう。
 
 
ヨウ素の輸出入の構造を変える研究結果が出ることを期待しています。
 
どんな研究成果がでてくるのか、ワクワクしながら待ちましょう。
 
 
 
 
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