量子科学技術に集中投資


こんにちは。
文部科学省が「量子科学技術」の分野に来年度から集中投資するという報道がありました。
最長10年間で合計数百億円規模の予算を検討中で、来年度の概算要求に数十億円盛り込むとのことです。
 
「量子科学技術」の分野って、今どんなことが基礎研究で行われている分野なのか。
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)のサイトを見たところ以下のような部門を研究活動の柱としているようです。
 

  1. 重粒子線がん治療や高度医療被曝支援を行う”放射線医学総合研究開発部門
     

  2. 中性子、光量子、放射光などの様々な量子ビームを使って新しい技術の創出を行う”量子ビーム科学技術部門
     

  3. 核融合エネルギーの実用化を目指す”核融合エネルギー研究開発部門

 
なるほど、エネルギーから医療まで幅広く研究されていますね。
それぞれの研究内容を深く見ていくとそれはそれで面白そうですが、今回は私が一番「量子科学技術」の分野で興味を持っている「量子コンピュータを取り上げたいと思います。
 
量子コンピュータとは何か?
下記の記事が非常に端的に量子コンピュータとはどんなものなのかを説明していると思います。

現在のコンピュータは、1ビットを基本単位として「0」「1」の2つの信号を切り替えることで計算します。一方、量子コンピュータは、同じ1ビットでも、「00」「01」「10」「11」の4つを切り替えることなく「同時に」計算することになります。ですから、わずか10ビット(10キュービット)で、1024通りの計算が「同時並行」して行われることになるのです。計算能力が現行システムのものに比べると、格段に速い。つまり、量子コンピュータとは、量子力学で動作原理が支配されるコンピュータだと考えてください。

(出典:Geekroid 2014.04.10
 
本当の意味で同時に別々の計算が行われるのです!すごい!パラレルワールドです!
 
量子のこのような「1でもあるし0でもある。どっちもあり!」的な現象は、なぜそうなるのかよくわかりませんが現在有力なのは「多世界解釈論」という説です。要は全部同時に平行世界(パラレルワールド)で起きているってことです。
 
本当にパラレルワールドが存在するかは・・・わかりません。
 
ただ、こう考えると説明がうまくいく現象はいくつかあるみたいです。
 
量子コンピュータの概念を作ったイギリスの天才物理学者デイヴィッド・ドイッチュも多世界解釈論を支持しており、「量子コンピュータは同時並行に存在する複数の世界で、同時並行に計算するものである」と主張しています。
 
不思議ですね、量子の世界。
 
めちゃくちゃ面白いですね、量子の世界。
 
量子の分野は、ほんの100年ちょっと前に始まった分野ですが、そこから急速に発展しています。
創成期の量子物理は現象の発見から解釈に至るまでの歴史も面白いので、ぜひ本などで調べてみてください。
私のサイト内の理系書評で紹介している『量子革命』は、数式もほとんど出てこず、誰でも読めるように書かれており、おススメです。
 
 
 
話しが逸れましたが、今回のテーマは量子コンピュータ。
 
この量子コンピュータという概念を私が最初に知ったのは、同じくサイト内の理系書評で紹介している『暗号解読』という本の中でした。
現在のインターネットで広く使われている暗号技術は「桁数の大きい数字の素因数分解は時間がとてもかかる」ことを前提として成り立っていますが、量子コンピュータが実現できれば暗号は割と簡単に解読されると予想されています。
 
そう、量子コンピュータと暗号ってかなり関係が深いのです!
 
 
 
とはいえ実現はまだまだ先の話…と思いきや、実は実現しています
 
2007年、カナダのD-Wave Systems社が16量子ビットの量子コンピュータを完成させています。さらに、2013年には512量子ビットまで実現したと発表しています。
 
ただし、まだまだ課題があり、現段階では“計算することができた”という程度のようです。
 
 
ただ、この技術は「暗号」にかかわるだけに、軍事的に利用される可能性も否定できませんし、それどころかどこかの国が極秘裏に開発に成功しているかもしれません。
 
 
量子コンピュータ。技術の発展を注意深く見守っていきたいと思います。
 
 
 
☆記事の感想を教えていただけると嬉しいです☆
—いつも最後まで読んでいただきありがとうございます—