VR握手会と触覚


一昨日Yahooニュースを開いたときに、ふと目に留まった記事がこちら。
 

28日にメジャーデビューする、女性5人組のバーチャルリアリティー(VR=仮想現実)アイドル えのぐ が、世界初の「VR握手会」を12月16、23日に開催する。

 
 
 
 
VR握手会
 
 
 
これに興味が湧きました。
 
 
なぜか?
 
VRというとヘッドマウントディスプレイを付けるイメージが強いですが、握手という行動をどうやって処理するのか。この点が気になりました。

1.人間の感覚とデバイス

そもそも、人間の持つ感覚の種類は主だったものとして五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)が挙げられます。その中で、握手とは、主に触覚に働きかけるアクションです。
 
視覚聴覚に働きかけるデバイスは、昔からたくさんあります。例えば、ヘッドマウントディスプレイというデバイスは感覚の中の視覚に働きかけるものですよね。ヘッドホンかスピーカ―があれば聴覚にも簡単に働きかけることができます。
 
 

stingray01
(こんな将来はもうすぐかも?)

 
でも触覚には働きかけることができません。
 
VR握手会は、この触覚に対するデバイスをどうするのだろう?
 
というのが、私の疑問でした。

2.握手会のデバイス

記事によると握手会は
 

  1. 参加者は専用のゴーグル型ディスプレーを装着。
  2. 握手を希望するメンバーが目の前に現れる。
  3. 専用のコントローラーを手にすることで、バーチャル空間内に自分の手が出現し、握手が体感できる。
  4. メンバーが参加者の様子などを感じ取り、リアルタイムで会話も楽しめる。

 
という流れのようです。
 
1,2は従来のVRでも対応できている。4については機械との会話なのでiPhoneのSiri等と同じ要領だろう。今回のポイントの握手は3だ。
 
結論としては、握手=触覚へのアクセス は、専用のコントローラーを使うらしい。
しかし、「握手を体感できる仕組みについては企業秘密」とのことだ。
 
残念。
 
ただ、このVRにおける触覚の課題とその解決を目指す研究は調べてみると結構面白い。

3.触覚のデバイス

私が調べた限り、未来の触覚のデバイスを想像するに、今後の開発ポイントは主に3つあると思われる。
 
1つ目は、触覚はその他の感覚と異なり、全身に感覚器官が存在することだ。
完全に全身の触覚を再現することは難しいだろうが、シチュエーションごとに必要な触覚は異なる。取捨選択と適用範囲を決めることが重要になるだろう。
 
2つ目は、触覚のデバイスに必要な条件として知覚的に透明なインターフェースである必要があることだ。具体的には、下記の慶応義塾大学の南澤氏の話がわかりやすいのではないだろうか。
 
仮に触覚に対するVRのデバイスが手袋の場合、「手袋をつけた感覚」が生じることは避けられない。これを南澤氏は「テレビで例えるなら、テレビ画面にスモークガラスを張った上で情報提示を行うようなもの」と述べている。
 
よって、触覚を妨害するような、触覚センサの立場から見て透明なインターフェースが求められるのだ。
 
3つ目は、誰でも使える必要があるということだ。
操作性ということももちろん重要ではあるが、それ以上に、重要なのがサイズ感だ。
触覚は全身にある器官なので老若男女問わず使うということは、それだけ体の大きさが違うものに対応する必要があるということだ。仮に一部、たとえば手だけ取り出したとしても、そのサイズのばらつきの程度はその他の感覚器官の比ではないだろう。
 
 
このVRと感覚の研究も実に興味深いですね。
そして、今後急速に発展しそうな予感を感じます。
 
 
 
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