PCBの処理には期限があるのでお早めに処理を


先日、環境省がTwitterでPCB(ポリ塩化ビフェニル)の早期処理を呼び掛けているのを目にしました。

ところでPCBって何でしょうか。
なぜ環境省が処理を呼び掛けているのでしょうか。

2000年代に問題になってニュースに取り上げられたこともあるので、ご存知の方もいるでしょうが、今一度PCBについて確認したいと思います。

PCBとは何か

PCBはポリ塩化ビフェニルのことで、一般式【C12H(10-n)Cln (1≦n≦10)】で表されます。
ちなみにIUPAC命名法では “塩化”ビフェニル は不正確です。
正確にはPCBは置換塩基の数によりますが、モノクロロビフェニルからデカクロロビフェニルまでの化合物の総称です。

1881年にドイツで初めて合成され、日本では1954年に製造がはじまりました。
後述しますが、のちに人体への強い毒性が確認されました。
ちなみに脂肪組織に蓄積しやすいそうです。

化学的には、耐薬品性や電気伝導性に優れています。また、燃えにくいという性質もあります。
このため昔は絶縁油等に使われていました。

PCBはどこに存在しているか

古い事務所の蛍光灯等に使用されている可能性があります。
これは、PCBが含まれる絶縁油を使用した安定器などが蛍光灯を構成する部品として使われているためです。

高濃度PCBは、1953~1972年に日本国内で製造された変圧器やコンデンサーには絶縁油にPCBが使用されたものがあるそうです。

低濃度PCBはもっと最近まで使われており、コンデンサーは1990年頃まで、変圧器は1993年頃まで出荷されたものには含まれている可能性があるそうです。

ただ、素人にはわからないんじゃないかと思います。私はネットで写真付きで説明されているページなどを見ましたが全くわかりませんでした。

PCBの毒性と事件

PCBの生体に対する毒性は高く、発癌性、皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常などが確認されています。
この毒性が原因とされる食中毒事件も起きています。
1968年に起きた「カネミ油症事件」がそうです。この事件は、カネミ倉庫株式会社が製造した食用油「カネミライスオイル」にPCBなどが誤って混入されており、摂取した人々に障害等が発生した痛ましい食中毒事件です。

2000年代に入ると世界でPCBを含む電気機器、特に老朽化した蛍光灯の安定器のコンデンサからPCBを含む絶縁油が漏れる事故が相次ぎ大問題となっています。

PCBの処理

全国5ブロックに分けられており、ブロックごとに処理期限があり、処理期限まで最も短い地域では残り500日未満です。
PCBを含む廃棄物は定められた期限までに処分にしなければならず、処分期間を過ぎると事実上処分することができなくなります。

この”処分できなくなる”っていうのは制度上問題だと個人的には思いますが(期限後に見つかったらどうするのか?コンデンサーとか部品にまで目がいかないことって、一般にはかなりありうると思います)、あなたの身の回りにPCBが含まれていると認識しているものがあれば、すぐに処分したほうが良いでしょう。

高濃度PCBを処理しているのは「中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」という政府全額出資のPCB処理のための特殊会社です。
この会社が全国を5ブロックに分けて広域的に処分しています。なお、平成28年はポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業費として356億円計上しています。

ちなみにこのJESCOという会社、最近は福島県の除染土壌の中間貯蔵事業もしているそうです。
私としては、PCB処理事業だけでは先細りだからといって、こういう混ぜこぜはよくないと思います。

世界の現状について少し

PCBを2028年までに全廃することを含む国際条約(POPs条約:残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)が2001年に調印されています。
世界的にも全廃に向けた取り組みが着々と進んでいるようですね。
あなたの周りにもしPCBがあるなら、あなた自身のためにもすぐに処理をしてしまいましょう。

(参考:環境省 PCB早期処理情報サイト

—いつも最後まで読んでいただきありがとうございます—